概要
なぜ人はケンカをするのか。
なぜヒステリーになるのか。
なぜ鬱状態に陥るのか。
これらを突き詰めていくと、
共通して見えてくる原因がある。
それが思い込みと固定概念だ。
思い込みは、物事を理解した「つもり」になることで生まれ、
感情を暴走させ、人間関係や自分自身を壊していく。
今回は、思い込みとは何かを定義し、その危険性を掘り下げていく。
本質の深堀
思い込みとは何か
まず、思い込みを定義してみる。
私は思い込みには、2つのタイプがあると考えている。
① 表面しか分かっておらず、中身を理解していない状態
一見理解しているようで、
実は言葉や結果だけをなぞっている状態。
- 仕組みは分かっていない
- なぜそうなるか説明できない
- 形が少し変わると応用が効かない
これは「理解」ではなく、
暗記に近い誤解だ。
② 片側に寄りすぎた理解
物事を本当に理解するには、
必ず反対の概念も理解する必要がある。
しかし人は、
自分が心地よい側だけを信じてしまう。
右翼と左翼のように、
反対意見を最初から拒絶し、
「相手は間違っている」と決めつける。
これは理解ではなく、
思想への依存である。
すべての事象には、長所と短所がある
ここで重要なのは、
すべての物事は長所と短所を同時に持つという前提だ。
- 効率化 → 思考停止のリスク
- 安定 → 停滞
- 自由 → 責任の増大
長所だけを見て「正解」だと思い込むのは危険で、
短所まで含めて初めて理解したと言える。
にもかかわらず、
人は短所を見るのが苦手だ。
なぜなら、不安になるから。
その結果、
自分の都合の良い側面だけを信じ、
固定概念が出来上がる。
感情が暴走する瞬間
強い怒りや不安が生まれる時、
そこには必ず強い前提がある。
- こうあるべき
- これは間違っている
- 普通はこうだ
自分の中のルールが絶対化すると、
それに合わない現実を受け入れられなくなる。
他人を攻撃するか、
自分を責めるか。
どちらにしても、感情は壊れていく。
ヒステリーや鬱は、
思い込みが外れた時の反動とも言える。
IT転職で感じた「分かった気」の怖さ
私自身、IT業界に転職した際、
この思い込みを強烈に体感した。
覚える量があまりにも多く、
一つ一つを腑に落ちるまで考える余裕がない。
結果、
表面だけを見て
「分かった」と思い込んでいた。
しかし、
根本がつながっていない理解は脆い。
- 応用が効かない
- 少し条件が変わると崩れる
- 本質的な判断ができない
これは知識不足ではなく、
思い込みによる理解だった。
超情報社会が思い込みを量産する
現代は、調べればすぐ答えが出る。
AIに聞けば、要約までしてくれる。
便利な反面、
人は「考えなくても分かる」状態に慣れてしまった。
その結果、
②のプロセスだけが大量に増える。
- 答えを見る
- 理解した気になる
- 固定概念が増える
これが積み重なると、
他人の意見を受け入れられなくなり、
感情が過剰に反応するようになる。
それでも必要な「良い思い込み」
思い込みは基本的に危険だが、
すべてが悪ではない。
自分を前に進めるための思い込みは、
むしろ必要だ。
- 今は分からなくてもいい
- 時間をかければ理解できる
- 自分は成長できる
これは世界を縛る思い込みではなく、
自分を支える思い込みだ。
問題なのは、
他人や現実を一方向から決めつけることなのである。
まとめ
思い込みとは、
理解した「つもり」になった瞬間に生まれる。
- 表面だけの理解
- 片側に寄りすぎた理解
この2つが重なると、
感情は簡単に壊れる。
物事を理解するとは、
長所と短所の両方を見ること。
賛成と反対の間に立つこと。
分かった気にならず、
腑に落ちるまで考える。
それだけで、
怒りも不安も、人生も、
驚くほど穏やかになる。


コメント