概要
子供は選択のたびに後悔するが、大人になるにつれて後悔は減っていく。
これは成長なのか、それとも別の心理が働いているのか。
「後悔しなくなる理由」を構造的に考えてみる。
本質の深堀
子供を見ていると、選択と後悔が常にセットで現れる。
選んだ直後に「やっぱり違った」と泣く。
一方、大人になると選択後に後悔する場面は明らかに減る。
なぜか。
それは、大人が「後悔しなくなった」のではなく、
後悔しないように思い込む術を身につけただけだからではないか。
歳を重ねると、人は何度もこういう経験をする。
一度選んだ道は、簡単には引き返せない。
仕事、結婚、人間関係、住む場所——
選択を撤回できない現実に直面する回数が増えていく。
その結果、
「もう戻れない選択について悩むのは無意味だ」
という思考に行き着く。
だから人は、
自分が選んだ道を「正しかったこと」にする。
そう思う方が楽であり、安心できるからだ。
「あの経験があったから今がある」
「無駄なことは一つもなかった」
こうした言葉は、真理というより心を安定させるための再解釈に近い。
ここで重要なのは、
選択したから正しいのではないという点だ。
選択を正しいと思い込むことで後悔は消える。
しかしそれは、本質的に「正解だった」ことの証明にはならない。
経験を積めば真実が見えるわけでもない。
大人が後悔しなくなるのは、
選択が洗練されたからではなく、
選択を疑わなくなったからとも言える。
まとめ
歳をとると後悔が減るのは、成長の証とは限らない。
引き返せない現実を受け入れるために、
自分の選択を正解だと思い込む力が強くなっただけかもしれない。
だからこそ、
「後悔しない=正しい選択をしている」
と安易に結論づけるのは危険である。
本当に正しいかどうかは、
経験の量ではなく、
選択を疑い続ける姿勢の中にしか存在しない。

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